「夏までもう時間がないけど痩せたい……」
太っている人の多くが抱えるこの悩み。
実はとあるダイエット法を用いる事によって、その悩みを解決できるかもしれません。
そのダイエット法の効果はなんと、人によっては1週間で6.8kgも痩せる事が可能です。
今回はそんな短期間で痩せる事の出来る夢のようなダイエット法をお伝えしていきます。
VLCDは科学的にも効果が実証された比較的リスクの低いダイエット法ですが、最初はめちゃくちゃキツイのは間違いありません。
なのでそんなダイエットを続けられるかどうか不安という方は筋トレで体を変えるには食事管理が大切だというお話【マッスルデリを利用して効率よくやせる】という記事から読まれることをオススメします。
1週間で6.8kg痩せるダイエット法とは?
では最初にずばり、そのダイエット方法の名前をお伝えします。
それは「VLCD」というやり方になります。
「VLCD(ベリーローカロリーダイエット)」とは
VLCDは【very low calorie diets】の略になり、直訳すると「超低カロリーダイエット」になります。
その名の通り極端に摂取するカロリーの量を制限するダイエット方法の事をいいます。
一昔前に話題になった置き換えダイエットのほとんどは、実はこのVLCDを元に考えられたダイエット法だったりします。
「VLCD(ベリーローカロリーダイエット)」の効果
このダイエット方法は1975年に6人の科学者たちが集まって考案されたダイエット方法になります。
メンバーの中にはスイスのジュネーブ大学臨床生化学研究所に所属しているものや、カナダトロント大学医学部に所属しているものなど、そうそうたるメンバーが集まっていました。
その科学者たちは誰も彼もが肥満症に悩んでおり、全員が太った体型をしていました。
それではだめだという事でこのVLCDを考案し実行したわけなのですが、なんと驚くべきことに被験者たちは平均で6.8kg(体重の4.0%~6.8%)もの減量をたった1週間で達成したのです。
これを聞いた人のなかには、
「いやいや、極端なカロリー制限で体内の水やグリコーゲンが枯渇しただけでしょ?」
と、そう考える人も出てくる事でしょう。
特に、ある程度ダイエットの知識を身に着けている人ほどその傾向は顕著です。
ですが驚くべきことに、このダイエット方法を実践した後、ほとんどの人がリバウンドしなかったというのです。
つまりただ水やグリコーゲンが減ったのではなく、本当に体重を減らすことに成功したという事になります。
この被験者たちは全員が「肥満体型」だったので、そもそも効果が出やすかったというのがあります。
逆に言えば、太っている人ほど効果が出やすいダイエット方法という事ですね。
「VLCD(ベリーローカロリーダイエット)」のやり方
ではそんなVLCDのやり方とはいったいどのような内容なのでしょうか。
カロリーを極端に制限する
VLCDのやり方は非常にシンプルです。
1日に摂取する食事内容を
- たんぱく質:70g
- 塩:6g
たったこれだけにするのです。
総摂取カロリーはわずか370kcalと、何故このダイエット方法がベリーローカロリーと名付けられたのかが理解出来たかと思います。
ちなみに成人男性が1日に必要とするカロリー量は2000kcalと言われており、どれだけこの370kcalという数字が低いものかが分かります。
段階的にカロリーを増やす
実はこのVLCD、1989年にその効果を確かめるための追加試験が実施されています。
Initial very low calorie diet (VLCD) improves ultimate weight loss.
元の実験では1週間という期間に区切って実施されていましたが、今回の追試では出来るだけ長い期間にわたって男性は446kcal、女性は388kcalというローカロリー状態を被験者には維持してもらいました。
そして「もう耐えられない!」と感じた後は、一日の摂取カロリーを
- 男性は+1100kcal
- 女性は+1000kcal
と増やし、約1400kcal~1500kcalにまで総摂取カロリーが増えた状態で、半年間このVLCDを実施してもらいました。
するとこれまた驚くべきことに、半年間で平均17.8kgもの減量に成功したという結果が出ました。
最低でも7.8kg、最高はなんと40.1kgもの体重が減少していました。
しかも被験者の約4割が2か月の間も370kcalのローカロリー状態を維持し続けたというのだから驚きです。
「VLCD(ベリーローカロリーダイエット)」の実施方法
ここからはそんなVLCDを実際に取り入れるにはどのようにすればいいのかを説明していきます。
実施期間
まずは実施期間の確認からです。
「いついつまでに痩せたい!」といった、各々のリミットに合わせて実施期間は設定してください。
ただし、出来る限り筋肉を落としたくない人は、1か月以上の実施は避けた方が無難です。
カロリーを極端に制限する特性上、カタボリック(筋肉の分解=減少)は避けられませんので。
実施方法
実施期間を確認したらその上で、
- 1週間程度しか時間がない人・・・Aパターン
- 1週間以上の時間がある人・・・Bパターン
この2パターンにまずは分類します。
Aパターンの人のやり方は
となります。
Bパターンの人は
①1週間摂取カロリーを370kcal程度に制限する
②その後リミットの期日まで1400~1500kcalにまで増やして制限する
もしくは
①1週間摂取カロリーを370kcal程度に制限する
②その後体型を維持するような普通の食生活に戻す
③1週間経過した段階で再度カロリーを370kcal程度に制限し1週間過ごす
④以下、期日まで①~③をループする
というやり方になります。
期間がある程度取れる方Bパターンの人は、私は後者のやり方の方をオススメします。
はっきりいって、カロリーを370kcalに抑えている時はめちゃくちゃきついです。
それだったらダイエット期とそうじゃない時を交互に持ってきた方が、停滞期に入ることも防げますし、精神衛生上的にも良いです。
超低カロリー期は運動を控えるようにしましょう。
体が飢餓状態に陥っているので、倒れてしまう危険性が高いです。
カロリーの摂取方法
超低カロリー期の食事は基本的に「肉・魚・プロテイン」を摂るようにしましょう。
それらの高たんぱく質食品を摂取し、たんぱく質を70g摂るのが目標です。
鶏むね肉だと300g、マグロだと260g程度がたんぱく質70gの目安です。
他にも栄養が豊富な豚レバーなんかも良いですね。
野菜は糖質の多い根菜類は避けて、葉物を適度に摂るようにしてください。
鶏むね肉などの食べる量を100gほど減らして、代わりにゆで卵2~3個に塩をつけて食べるのもオススメです。
口さみしい場合は、グレープフルーツを1~2個程度なら食後に食べてもOKです。
このような食事内容プラス、必ずサプリメントで栄養を補助するようにしてください。
そうしないと健康面での悪影響が酷い事になりかねません。
そして+1000kcalを追加するメンテ期においては、上記に加えてプロテインを摂取するようにしましょう。
オーバーカロリーにならない程度に、糖質の量を増やしてもOKです。
少量ならお菓子なんかも食べれますよ。
ただし、脂質の量だけは必ず控えるようにしてくださいね。
サプリメントについて
必ず用意して欲しいサプリメントは次の4つです。
- EAA
- マルチビタミン&ミネラル
- イヌリン
- EPA
金銭的に余裕があり、筋肉の分解を極力防ぎたい人はHMBもあるとなお良いです。
それぞれ理由と効果を説明します。
VLCDに必要なサプリメント①:EAA
EAAとは必須アミノ酸のことを指します。
筋肉をはじめとし、髪の毛、肌、爪、骨にいたるまで体の組織のほとんどはタンパク質で作られています。
そのタンパク質のなかでも、体内で生成されない9つのアミノ酸のことを必須アミノ酸(Essential Amino Acid)というのです。
詳しくはやみくもにタンパク質を摂るだけでは意味がない!?必須アミノ酸について解説という記事で解説してます。
さて、VLCD時はどうしてもこの必須アミノ酸が不足しがちなので、それを補うためにもぜひEAAのサプリメントを摂取してもらいたいのですが、実はEAAにはもう1つの効果があります。
それは食欲を抑制する効果です。
EAAの中に含まれるロイシンには、満腹ホルモンであるレプチンの働きを強めて、食欲を抑制する効果があることが知られています。
他にも筋合成の作用を高める効果も知られているので、摂取することで筋分解を抑える効果も期待できます。
摂取量は、朝起きてから15gを水に溶かして摂取するようにしましょう。
VLCDに必要なサプリメント②:マルチビタミン&ミネラル
ビタミンとミネラルがなぜ必要かは、論ずるまでもないですね。
VLCD中は特にこういった微量栄養素が極端に不足しがちなので、必ずサプリメントから栄養を補給するようにしましょう。
ビタミン・ミネラルについてきちんと学びたい方は下記の記事をご覧になることをオススメします。
>>【完全保存版】筋トレする人向け!必要なビタミン摂取量をまとめてみた【栄養素表示基準値とは違う】
>>筋トレをして筋肉をつけたいのなら16種のミネラルについて学ぼう【超重要】
オススメのマルチビタミン・ミネラルのサプリメントですが、筋トレをする人は特に下記のSource NaturalsのElan Vital Multipleというサプリメントを選ぶようにしてください。
値段は高いですが、必要な栄養素が完璧な量配合されているので、効果は絶大です。
「海外メーカーだし、値段も高いのでちょっと……」
という方は、最悪ネイチャーメイドの下記の商品でも最低限の栄養素は摂取できるので、こちらでもOKです。
どちらも摂取量はパッケージに書かれてある数に従って下さい。
VLCDに必要なサプリメント③:イヌリン
イヌリンとは水溶性の食物繊維であり、腸の中で腸内細菌のエサになるサプリメントとなります。
VLCD中はどうしても腸内環境が荒れがちになるので、こうした腸内環境を整えるサプリメントを摂取することが非常に大切です。
あと、胃の中で膨れるので、空腹感を紛らわすことも出来ますよ。
摂取量は、EAAと同時に5g程度を水に溶かして飲むようにしましょう。
VLCDに必要なサプリメント④:EPA
いわゆるフィッシュオイルというやつです。
EPAは非常に良質な脂質の1つであり、体の免疫機能を向上させたり、脂肪の燃焼を高めたり、食欲を抑制したり、筋肉の分解を抑えたりなど、その効果は枚挙にいとまがありません。
VLCD中問わず、常に摂取して欲しいサプリメントの1つですね。
VLCDで余裕があれば欲しいサプリメント:HMB
HMBとは、EAAの1つで食欲を抑えて筋肉の分解を抑制する効果があると説明した、ロイシンの代謝物になります。
基本的にロイシンの効果とは体の中でHMBに分解された状態で発揮されるものなので、だったら初めからHMBの状態で摂取した方が効率が良いよね?という理屈です。
摂取量は毎食後に1g程度で十分です。
ただしHMBは非常に高価であり、EAAでも十分効果は期待できるので、極限まで筋分解を抑えたい!という特別な理由がない限りは必要ありません。
あと、良くネットの広告やアフィリエイトサイトなどで見かける「飲むだけでムキムキに!」「プロテインの〇〇倍の効果が!」とか書かれてある商品は過大広告の無駄サプリなので絶対に買わないようにしてください。
余裕があれば、下記の商品なんかがオススメですよ。
「VLCD(ベリーローカロリーダイエット)」のメリット・デメリット
では最後にVLCDのメリット・デメリットの双方を見て行きましょう。
「VLCD(ベリーローカロリーダイエット)」のメリット
- 短期間で効果が得られる
- 一定期間を超えると空腹感を感じなくなる
何よりもその即効性が一番のメリットですね。
最後の減量の追い込みなどにも、場合によっては活用出来ます。
「VLCD(ベリーローカロリーダイエット)」のデメリット
- つらい
- ケトアシドーシスに陥る恐れがある
- 運動する気力が失われるので筋肉が減少しやすい
最大のデメリットはつらく、きつい点にあります。
はっきり言って、最初は地獄です。
ただし、それを耐えるだけの価値ある効果は得られるダイエット法ではあります。
挫折続きの人でも、1週間だけならなんとか続けられるのではないでしょうか?
そして2点目のケトアシドーシスとは何かというと、ケトン体が発生する事によって体が酸性に傾き「悪心・嘔吐・腹痛」といった症状を引き起こす現象になります。
これはα-リポ酸というサプリメントを摂取する事で防ぐことが出来ますので、可能であればそちらも用意しておくといいでしょう。
>>【筋トレ&ダイエット】αリポ酸の飲み方を徹底解説します【おすすめ4選】
加えて、カロリー制限時に脱水症状を起こす場合もありますので、水は意識して多めに摂取するようにしてください。
一日1.5ℓ~2ℓは意識して摂取した方がいいです。
さいごに
以上が最短で効果を得れるダイエット方法「VLCD」についての解説でした。
確かに効果は高いですが、非常に辛いダイエットなので無理のない範囲で行うようにしてくださいね。
私個人の考えとしては、ダイエットは無理のない範囲で行った方が精神衛生上も良くて、効果が出やすいと考えていますので、同じような考え方の人は下記の記事も読まれることをオススメします。
>>筋トレで体を変えるには食事管理が大切だというお話【マッスルデリを利用して効率よくやせる】
筋トレする人以外でも、健康的に痩せるという意味では、この方法が最適です。